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偏平足(へんぺいそく)で腰痛も

【気になるこの症状】偏平足 中高年は注意 膝・腰痛の原因にも
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130815/dms1308150737004-n1.htm

【筋肉の衰えで発症】

偏平足には、生まれつきのものと、中高年以降に起こる2種類がある。注意したい病的なものは後者だ。

足の外科が専門の「お茶の水整形外科」(東京)の銅冶(どうや)英雄院長が説明する。

「足には、内側から内くるぶしの後ろを通って、上に繋がる“後脛(こうけい)骨筋”という筋肉があり、土踏まずのアーチを持ち上げる働きをしています。この筋肉が加齢で衰えてくると足裏内側のアーチが潰れてくるのです。後脛骨筋機能不全という病態です」

完全に偏平足になっていなくても、内くるぶしの内側に痛みや腫れがあれば発症初期の可能性があるという。

【膝痛や腰痛を起こす】

加齢による偏平足が進むと、体のさまざまな場所に悪影響を及ぼす。

「足裏のアーチは体重の衝撃を和らげるクッションの役目をするので、一番波及しやすいのは膝の負担。膝痛です。左右で脚の長さも違ってくるので、体のバランスが崩れて腰痛にもなりやすい。背骨のバランスが悪いと肩こりも起こります」

なかなか治らない原因不明の膝痛や腰痛があれば、まず偏平足がないか確認してみよう。

「土踏まずの潰れた状態が長年続くと、くるぶしの関節が変形したまま固まってしまう。変形がひどい人の場合には、手術や靴型装具を使う治療が必要になってきます」

【靴と食事で治す】

予防と治療で最も重要なのは、普段、履く靴は土踏まずを支えるアーチサポートのある靴を履くこと。専門外来では、足の型取りをしてオーダーメードのインソール(中敷き)を保険適用で処方してくれる。

「後脛骨筋の弱った部分は微小の断裂が起きているので、土踏まずを支えて安静にしてやることで自然と修復します」

加えて、筋肉の老化は食事も関係するという。

「炭水化物を取り過ぎると血糖値を上げ、余分な血糖がタンパク質と結びついて糖化という現象を起こします。これがタンパク質(筋肉)の劣化に繋がります」

特に、糖尿病の人は偏平足になりやすい。炭水化物は控えめに、筋肉の修正材料になるタンパク質を積極的に取ることが食事療法になる。

「インソールは土踏まずの部分の裏に、軍手の指の部分を7-8センチ切って、2枚重ねて貼り付けた自家製でも構いません。それでも改善しないようならオーダーメードを作ればいいと思います」